ブロム剤(読み)ブロムザイ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロム剤」の意味・わかりやすい解説

ブロム剤
ぶろむざい

ブロム(臭素)化合物で鎮静・催眠作用をもつものの総称。ブロムカリウム、ブロムナトリウム、ブロムアンモニウムがある。いずれも水薬として昔はてんかんの治療や不安・緊張状態の鎮静に用いられたが、現在ではほとんど使用されていない。なお、ブロムワレリル尿素もブロムを含有するブロム剤の一種である。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロム剤」の意味・わかりやすい解説

ブロム剤
ブロムざい
bromide

医療用として用いられるブロム (臭素 ) 化合物の総称。カリウム塩,ナトリウム塩,カルシウム塩などの無機化合物と,アダリン,ブロムラールのような有機化合物とがある。一般に,無機化合物のほうが速効はあるが,効力消失も速いのに対し,有機化合物のほうは遅い。ブロムイオンの作用により,中枢神経系に対し選択的かつ抑制的に働き,運動,思考の両機能を低下させ,睡眠に導く。神経症,不眠症や,てんかんの発作防止などに使われる。

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