ブロワリア(その他表記)Browallia speciosa Hook.(=B. major Hort.)

改訂新版 世界大百科事典 「ブロワリア」の意味・わかりやすい解説

ブロワリア
Browallia speciosa Hook.(=B. major Hort.)

コロンビア原産のナス科多年草和名タイリンルリマガリバナ。高さ30cm,粗く枝を分けて,葉腋ようえき)に径3.6cmの美しい紫色または白色の花をつける。花冠は5深裂して一見星状に見えるが,花筒部は長く花心は白い。原産地では低木状となるが,ふつう秋まき一年草として取り扱う。種まきは9~10月,小鉢に3本植えとして,フレームまたは温室で越冬させると5月から開花するが,春まきとすれば夏~秋に咲く。育苗期も開花期も雨に遭わせないように育てるとよい。開花後はつぼ状の果実ができて,黒い小粒の種が熟してこぼれ落ちるようになる。繁殖種子だけでなく,挿芽でも殖やせる。

 ブロワリア属Browalliaの植物は中南米に12種ほどあり,熱帯アメリカ産のルリマガリバナB.demissa L.(=B. americana L.)は草丈50cmにもなる。花は紫色でよく似ているが,小輪である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロワリア」の意味・わかりやすい解説

ブロワリア
ぶろわりあ
[学] Browallia speciosa Hook.

ナス科(APG分類:ナス科)。タイリンマガリバナともいう。コロンビア原産の半低木であるが、園芸上は一年草として取り扱う。株は基部から分枝し、成長するにつれて倒れやすくなるので、吊(つ)り鉢かプランター植えにして観賞するとよい。花期は夏から秋と長く、各枝の葉腋(ようえき)ごとに多くの花を開く。花は淡紫色で、径4~5センチメートル。青、白色花の品種もある。繁殖は実生(みしょう)により、4月上旬~中旬播種(はしゅ)し、フレームで育苗する。温室栽培の場合は、2月播(ま)きで6月に開花する。排水がよく、腐植質に富む用土を好み、種子は小粒なので、厚播きにならないように注意する。

[山口美智子 2021年7月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロワリア」の意味・わかりやすい解説

ブロワリア
Browallia

熱帯アメリカ原産のナス科の低木状多年草の1属。数種が知られるが,ブロワリアの名で観賞用に栽培されるのはルリマガリバナ B. demissa,マガリナデシコ B. grandiflora,タイリンルリマガリバナ B. speciosaなどである。葉は対生または互生し,花は青,菫,白色で,葉腋に単生するか総状花序となる。花弁は5枚で基部が筒状をなす。

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百科事典マイペディア 「ブロワリア」の意味・わかりやすい解説

ブロワリア

熱帯アメリカ原産のナス科の一年草または多年草で,10種ほどがある。夏場の鉢物,または花壇用一年草として,ルリマガリバナやタイリンルリマガリバナなどが栽培される。葉は互生または対生。花は総状あるいは葉腋に単生し,高盆形で筒部は長く,先は5裂,花色は白か青紫。タイリンルリマガリバナは花が径4cmと大きく,吊り鉢仕立てにすると美しい。

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