ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラース」の意味・わかりやすい解説
プラース
Plath, Sylvia
[没]1963.2.11. ロンドン
アメリカの女流詩人。両親がともにボストン大学で教鞭をとるという知的な環境に育ち,8歳で詩を雑誌に発表した早熟の天才。スミス・カレッジを優等で卒業したが,在学中すでに自殺を試みたことがある。この頃のことは,自伝的小説『鐘形ガラス』 The Bell Jar (1963,邦題『自殺志願』) に詳しい。 1955~57年ケンブリッジ大学大学院に留学。 56年イギリスの詩人テッド・ヒューズと結婚,詩作のうえで影響を与え合い,2子をもうけたが,62年別居,翌年ガス自殺をとげた。生前に出した詩集は『コロッサス』 The Colossus (60) 1巻だが,死後『エアリエル』 Ariel (65) ,『水を横切って』 Crossing the Water (71) ,『冬の樹木』 Winter Trees (72) などが出版された。短い口語風の行をたたみかけていくその詩は,抒情性に富み,みずからの女としての性 (さが) ,父に対する愛憎,子供などを歌い,師 R.ローエルや A.セクストンらとともに告白詩人 Confessional Poetsの一人に数えられる。
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