プロディコス(読み)ぷろでぃこす(英語表記)Prodikos

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロディコス」の意味・わかりやすい解説

プロディコス
ぷろでぃこす
Prodikos

生没年不詳。古代ギリシアのソフィストソクラテスの同時代人。アッティカ南東の島ケオスに生まれる。外交使節としてアテネを訪れ、ソフィストとしても活躍、名声と富を得たと伝えられる。ソクラテスもその講義を聴いたことがあるらしい。ことばの正しい使用法を唱えて類似語の意味の相違を調べたり、神話を説明して古人は太陽や月や川など有益なものを神々として崇拝したと述べたりしたと伝えられる。2人の婦人の姿をとって現れた美徳悪徳ヘラクレスが選ぶ道徳的訓話は有名である。

鈴木幹也 2015年1月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プロディコス」の意味・わかりやすい解説

プロディコス
Prodikos

[生]前465頃
[没]前399以後
ギリシアのソフィスト。ケオス出身。外交使節としてアテネを訪れ,そのかたわらソフィストとして活動したといわれる。名辞の正確な使用を重視し,文法家としての名声高く,ソクラテスも彼の講義を聞いた。プラトンアリストファネス尊敬の念をいだき,プラトンの対話篇『プロタゴラス』に登場する。財産の問題や生と死に関する多くの講話を行なったが,特に美徳と悪徳,善と快,努力と怠惰,尊敬と利益の対立を2人の婦人の姿をかりて劇的に説いた道徳説話「岐路に立つヘラクレス」は著名。自然研究のかたわら神話の合理的解釈も試みている。

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