ヘラノキ(読み)へらのき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘラノキ」の意味・わかりやすい解説

ヘラノキ
へらのき / 篦木
[学] Tilia kiusiana Makino et Shirasawa

シナノキ科(APG分類:アオイ科)の落葉高木で高さ20メートルに達する。幹は褐色。葉は長さ4~9センチメートルで、ゆがんだ長卵形。花は淡黄色で7月に開く。果実堅果で、褐色の短毛が密生する。花序包葉がへら状であるため、ヘラノキという。本州紀伊半島、中国地方)、四国、九州に分布し、山地に生える。樹皮から繊維がとれ、これで布を織る。

[門田裕一 2020年4月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヘラノキの言及

【シナノキ】より

…アオイ科に近縁であるが,おしべの葯室が2室であることで区別される。 ヘラノキT.kiusiana Mak.et Shiras.はシナノキに比し,葉は卵状長楕円形または狭卵形,葉柄は長さ8~15mmで短いので区別できる。近畿地方から九州まで分布する。…

※「ヘラノキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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