日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルタランフィ」の意味・わかりやすい解説
ベルタランフィ
べるたらんふぃ
Ludwig von Bertalanffy
(1901―1972)
理論生物学者。オーストリア生まれ。インスブルック大学、ウィーン大学で学んだ。ウィーン大学教授ののち、カナダのオタワ大学、アルバータ大学教授などを歴任した。生気論と機械論を止揚するものとして生体論を唱え、これをさらに精密に理論づけた一般システム理論により生物をとらえようとした。この理論では、生物体が単なる要素の集合ではなく、要素どうしが互いにその活動を制御しあうネットワークとしての総体であり、生物体系の各階層ごとにそれぞれのシステムがあり、全体として組織化されていると考える。この立場にたって、初めて生物の働きの合目的性が理解できるのと同時に、現代の複雑化した社会現象に誤りなく対応できるとしている。
[竹内重夫]