改訂新版 世界大百科事典 「ホウオウボク」の意味・わかりやすい解説
ホウオウボク (鳳凰木)
Delonix regia Raf.(=Poinciana regia Bojer)
熱帯地方で街路樹,緑陰樹として広く植えられているマメ科の高木。英名はroyal poinciana,peacock-flower,flamboyant。開花期には真赤な花を樹冠いっぱいにつけ,実に美しい。また樹形が傘形で大きな葉をたくさんつけるので,樹下は涼しい。原産地はマダガスカル島。熱帯では乾季に落葉し,雨季に葉をつける。生長は早く,やせ地でもよく育ち,高さは10~15mとなる。葉は羽状複葉で,長さ30~50cm,羽片は10~20対あり,それに小葉が多数つく。花は総状花序に多数つき,花弁は5枚,幅広くやや不同。上弁には黄色の条線がある。花径は7~10cm。おしべは10本で長い。花後,大きな平たい莢(さや)をつける。開花期は乾季の終りころであるが,温室では乾季のない関係か花がつきにくい。沖縄などでは,冬に落葉し春に花をつける。繁殖は実生による。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報