ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホノリウス3世」の意味・わかりやすい解説
ホノリウス3世
ホノリウスさんせい
Honorius III
[没]1227.3.18. ローマ
ローマ出身の第177代教皇(在位 1216~27)。本名 Cencio Savelli。最も偉大な教皇の一人に数えられる。貴族出身で,教皇インノケンチウス3世(在位 1198~1216)により司祭枢機卿(→カーディナル)に叙階され,1216年7月に後継の教皇となった。登位後まもなく,エルサレム王国を奪還するため,第5次十字軍を派遣した。また,ドイツ王フリードリヒ2世(シチリア王フェデリーコ1世)に第6次十字軍を率いる約束を取りつけ,1220年には神聖ローマ皇帝として戴冠したが,フリードリヒ2世は遠征を何度も先延ばしし,結局出発したのは教皇の死後であった。また,敵対していたカスティリア王国とレオン王国を和解させるなど,カトリック諸国間の平和を巧みに維持した。1226年にはアルビジョア十字軍の指揮をフランス王ルイ8世(在位 1223~26)に命じた。在位中,ドミニコ会,フランシスコ修道会,カルメル会の三つの修道会が承認された。ホノリウスによる教皇教令集の第5集 "Compilatio quinta"は初の教会法の書とされる。
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