ボタン科(読み)ぼたんか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボタン科」の意味・わかりやすい解説

ボタン科
ぼたんか
[学] Paeoniaceae

双子葉植物離弁花類多年草または落葉低木。葉は大形で、3出または羽状複葉。花は茎の先に1個ずつ開き、白色、または淡紅色紫紅色などで、大形でよく目だつ。雌しべは離生し、熟して袋果(たいか)となる。花の構造は外見上キンポウゲ科植物に似るが、直接の類縁関係はない。ボタン属1属からなり、北半球の中国を中心とした地域に36種ある。日本では中国原産のボタン、シャクヤクを栽培するほか、ヤマシャクヤクなど2種が分布する。

[門田裕一 2020年5月19日]

 APG分類でもボタン科とされる。

[編集部 2020年5月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボタン科」の意味・わかりやすい解説

ボタン科
ボタンか
Paeoniaceae

双子葉植物の1科。キンポウゲ科の1亜科とされたことがあり,独立科として扱う場合もキンポウゲ目に入れることが多いが,最近の分類ではオトギリソウ目の1科とされる。北半球の温帯に1属 (ボタン属 Paeonia) 30種がある。多年草で,ボタン (牡丹)のように低木状のものもある。根茎はよく発達し,ときにイモ状。葉は互生し3出または2回3出の複葉となる。花は大型で萼片5枚,花弁も5枚 (ときに 10枚) あり,おしべは多数が螺旋状配列,中心に2~5個のめしべがあり,これを囲んで花盤が発達する。おもにこの点で,キンポウゲ科と異なっている。果実は各めしべが独立した袋果をつくる。ボタン,シャクヤク (芍薬)などの園芸植物がある。

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