ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボニファチウス4世」の意味・わかりやすい解説
ボニファチウス4世
ボニファチウスよんせい
Bonifatius IV
[没]615.5.8. ローマ
バレリア出身の第67代教皇(在位 608~615)。聖人。教皇グレゴリウス1世(在位 590~604)の教え子であったとみられ,教皇選出時はローマ教会の助祭であった。ビザンチン皇帝フォーカス(在位 602~610)の許しを得て,609年にローマのパンテオンをキリスト教の聖堂サンタ・マリア・ロトンダに改修した。610年には修道院の規律の回復をめざしてローマで教会会議を開催。イギリスの教会に大きな関心を寄せ,この会議に出席した初代ロンドン司教メリツスを通じ,カンタベリー大司教ローレンスとケント王アゼルベルトに書簡を送り指示を与えた。また,553年の第2回コンスタンチノープル公会議の決定を支持したことで,修道院長コルンバヌスから叱責を受けている。在位中,飢饉や疫病,自然災害に苦しめられた。私生活でも厳格な修道生活を送った。死後,ローマのサン・ピエトロ大聖堂に埋葬された。祝日は 5月8日。
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