家庭医学館 「ボーエン病」の解説
ぼーえんびょう【ボーエン病 Bowen Disease】
有棘細胞(ゆうきょくさいぼう)がんのがん細胞の増殖が表皮内(ひょうひない)だけにとどまっている表皮内がんです。わずかに隆起した紅褐色の病変として気づき、かさぶたができることもあります。いろいろな場所にでき、湿疹(しっしん)とまちがわれることもありますが、かゆみはほとんどありません。
慢性砒素中毒(まんせいひそちゅうどく)の人にはボーエン病がよくでき、内臓がんをともなうことが知られています。外陰部にできることもありますが、これは特殊なイボウイルスが原因だと考えられています。
[治療]
ボーエン病は、放置しておくと深くへ侵入することがまれにあるため、病変部を手術で切除します。単発(1か所)の場合は、局所麻酔ですむ手術のことも多く、治療は比較的容易です。