ポリノジック

化学辞典 第2版 「ポリノジック」の解説

ポリノジック
ポリノジック
polynosic

平均重合度が400以上で,結晶化度が高く,かつ断面が均一で円形再生セルロース繊維.これの原形の一つは,立川正三の発明した虎(とら)木綿にある.基本的にはできるだけ高重合度,低アルカリで熟成度の低いビスコースを用い,低塩,低酸の紡糸浴を用い,高重合度,高結晶性,高配向の繊維を得るものである.乾強度は綿と同程度であり,湿潤時の強度低下が一般的なレーヨンに比べて少ない.また,初期ヤング率が高く,とくに湿潤時の値の低下が少ない.洗濯時の寸法安定性も良好で,耐アルカリ性もレーヨンよりかなりよい.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポリノジック」の意味・わかりやすい解説

ポリノジック
ぽりのじっく
polynosic

再生繊維一種で高級レーヨン(再生セルロース繊維)である。普通レーヨンと同様、木材パルプ原料として製造される。この繊維の原形の一つは、立川正三の発明した虎木綿(とらもめん)である。また、アメリカのエンカ社などの商品名でもある。平均重合度400以上で比較的結晶度が高く、断面が均一で円形のレーヨンである。一般のレーヨンよりも強度とくに湿潤時の強度が大きく、洗濯時の寸法安定が良好である。

垣内 弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリノジック」の意味・わかりやすい解説

ポリノジック
polynosic

特殊レーヨンステープルの一種。普通のレーヨンステープル,つまりスフを木綿の性質に近づけるように改良したもの。普通のレーヨンステープルに比較して重合度が高く,緻密で均一な構造をもち湿潤強度が高く,伸度は低い。また耐水性,耐アルカリ性がすぐれている。衣料用人造繊維のうちで最良の品質といわれ,細番手の高級織物などにも利用されるほか,綿,麻,ポリエステルなどと混紡して用いられる。

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