化学辞典 第2版 「再生セルロース」の解説
再生セルロース
サイセイセルロース
regenerated cellulose
セルロース誘導体から再生,あるいは,天然セルロースを処理して得られるセルロース結晶の変態の一つ.セルロースエステル,セルロースエーテルなどの溶液から加水分解により再生したり,アルカリセルロース,あるいはセルロース溶液から沈殿再生して得られる.化学組成は天然セルロースと同じであるが,おもに結晶構造が異なり,多くの場合,水和セルロース(セルロース-Ⅱ)と同じ結晶構造をもつため,水和セルロースを再生セルロースとよぶことがある.天然セルロースに比較して結晶化度が低く,結晶粒子の配列がやや乱れているため,一般に吸湿性,吸水性,染着性などが高くなっている.工業的には,ビスコースから再生して得られるビスコースレーヨン,セロハン,銅アンモニアセルロースからのキュプラ,酢酸セルロースからのフォルチザン,アルカリセルロースからのマーセル化綿が重要である.なお,セルロースをアルカリ浸漬し,アルカリセルロースとすることをマーセル化という.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報