ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マシーナ」の意味・わかりやすい解説
マシーナ
Masina, Giulietta
[没]1994.3.23. ローマ
イタリアの映画女優。フルネーム Giulia Anna Masina。映画監督フェデリコ・フェリーニの妻であり,フェリーニ作品に欠かせない存在。10代の頃,学生劇団で演劇を始め,1939年プロとしてデビュー。ラジオドラマの人気女優となり,フェリーニが台本を書いた連続ドラマにも出演した。1943年フェリーニと結婚し,その後は映画に活躍の場を移す。フェリーニの単独初監督作品『白い酋長』Lo sceicco bianco(1952)などへの出演を経て,『道』La Strada(1954)で夫婦ともに国際的名声を獲得。子供のように無垢なジェルソミーナに扮したマシーナは,多彩な表情としぐさを駆使してさまざまな感情を表現し,女性版チャップリンと評された。『カビリアの夜』Le notti di Cabiria(1957)でカンヌ国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。半自伝的ともいえる『魂のジュリエッタ』Giulietta degli spiriti(1965)への出演以降,しばらく映画からは遠ざかったが,フェリーニへの助言と協力は一貫して続けた。1985年,フェリーニ監督作『ジンジャーとフレッド』Ginger e Fredで映画界に復帰。1994年,フェリーニの死から数ヵ月後にこの世を去った。
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