ジンジャー(読み)じんじゃー(その他表記)ginger

翻訳|ginger

デジタル大辞泉 「ジンジャー」の意味・読み・例文・類語

ジンジャー(ginger)

ショウガ科多年草。高さ1~2メートル。葉は大きな長楕円形。7~10月、純白や黄色の花をつける。東南アジア原産で、観賞用に栽培花縮砂はなしゅくしゃ 花=秋》「―の香夢覚めて妻在らざりき/波郷
香辛料の一。干したショウガ、またはその粉。

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精選版 日本国語大辞典 「ジンジャー」の意味・読み・例文・類語

ジンジャー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] ginger )
  2. ショウガ科の植物の総称。〔舶来語便覧(1912)〕
  3. しゅくしゃ(縮砂)
  4. ジンジャーエール」の略。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジンジャー」の意味・わかりやすい解説

ジンジャー(香辛料)
じんじゃー
ginger

ショウガの地下茎を乾燥し、また粉末とした香辛料。水で洗った地下茎の皮をむき、天日で約8時間乾燥させてつくる。甘い芳香性、さわやかな刺激性のある香りと強い辛味が特徴で、香りの主成分はジンジベロール、辛味の主成分はジンゲロン、ショウガオールである。粉末香辛料はジンジャーブレッド(糖蜜(とうみつ)で甘味をつけジンジャーの香りをつけたパン)、クッキー、プディングなどのベーカリー製品やジンジャーエールなどの飲料に、西洋料理ではカレー粉やピクルス、レバー料理、肉料理に用いられ、他の香辛料となじみがよいので用途は広い。日本では昔から薑(はじかみ)として知られ、なまのものはしょうが(生姜)、生薑(しょうきょう)、乾燥したものは乾薑(かんきょう)、乾姜(かんきょう)とよばれている。しょうがの香味は甘・辛どちらにもあい、とくに生臭みの強いカツオ、サンマ、アジや豚肉、兎(うさぎ)肉、レバーなどのにおい消しに欠かせないもので、甘味とあわせた生姜糖やべっこう生姜も昔から食されている。日本料理では、若い芽しょうがは焼き魚の付け合せに、梅酢に漬けた紅しょうがはすしの彩りに、甘酢漬けのしょうがは握りずしの「がり」として、料理の重要な引き立て役である。また薬味として、せん切り、みじん切り、薄切り、すりおろしにしたものが使われる。中国では、しょうがのことを薑(チヤン)といい、中国料理の風味づけに料理法にあわせて多様に用いられている。

[齋藤 浩]



ジンジャー(ショウガ科の球根草)
じんじゃー
ginger
[学] Hedychium

ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の半耐冬性球根草。和名ハナシュクシャ(花縮砂)。根茎状の地下茎が伸び、茎は太く、高さ1.5~2メートル。葉はカンナに似て長さ30~50センチメートル、幅5~12センチメートル、葉面は滑らかである。茎頂に長さ15~30センチメートルの穂状または密穂花序をつくり、芳香の強い花をやや傾けて密集する。花色は白、黄、紅、桃色などで、細長い筒部と開出した裂片があり、唇弁は品種により大小がある。東アジア原産で、ニューギニア、マダガスカルなどに約40種分布する。夏期の花壇、切り花用に栽培する。

[吉次千敏 2019年6月18日]

栽培

シロバナシュクシャH. coronarium Koen.とキバナシュクシャH. gardnerianum Wall.がおもな栽培品種で、寒地では11月初め株を掘り上げて貯蔵、越冬させる。暖地では、5~6年植えたまま、冬期に地表面を覆って越冬させたほうが開花数が多い。乾燥に弱いので、適当な湿気のある砂質壌土で育てる。肥料は多めがよい。

[吉次千敏 2019年6月18日]


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改訂新版 世界大百科事典 「ジンジャー」の意味・わかりやすい解説

ジンジャー
ginger

ショウガZingiber officinale Rosc.の根茎にはジンギベレーンzingiberene,ジンギベロールzingiberolなどの芳香性の揮発油と,ジンゲロンzingerone,ショウガオールshogaolなどの辛味成分が含まれるので,ジンジャーの名のもとに,香辛料や芳香性健胃薬,またジンジャー・エールなどの清涼飲料に広く用いられる。さらにショウガと同じような芳香辛味成分を有するものも,ジンジャーと呼ばれる。また,園芸的にはトーチ・ジンジャーシュクシャ類などショウガ科の観賞用に栽培されるものを総称することもある。
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百科事典マイペディア 「ジンジャー」の意味・わかりやすい解説

ジンジャー

ハナシュクシャとも。インド原産のショウガ科の多年草で,花壇・切花用に栽植される。高さ1〜2mの茎にカンナに似た披針形の葉を2列に互生し,夏〜秋,茎頂に花穂をつけ,芳香の高い白色の花が多数咲く。東京以北では掘り上げて越冬させ,株分けでふやす。類品に花色の異なるキバナシュクシャ,ニクイロシュクシャなどがある。また香辛料のショウガのこともいう。

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デジタル大辞泉プラス 「ジンジャー」の解説

ジンジャー

ビアトリクス・ポターによる絵本「『ジンジャーとピクルズや』のおはなし」に登場するキャラクター。猟犬のピクルズと共同で雑貨店を営む猫。

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栄養・生化学辞典 「ジンジャー」の解説

ジンジャー

 ショウガの粉.スパイスとして使う.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジンジャー」の意味・わかりやすい解説

ジンジャー

「シュクシャ(縮砂)」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のジンジャーの言及

【ハナシュクシャ】より

…花は淡黄色で強い芳香があり,果実は赤色である。 シュクシャ属は園芸上ジンジャーの名で親しまれ,日本でもそのほかいろいろの品種がつくられている。性質などはカンナに似る。…

※「ジンジャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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