日本大百科全書(ニッポニカ) 「マダリアーガ」の意味・わかりやすい解説
マダリアーガ
まだりあーが
Salvador de Madariaga
(1886―1978)
スペインの小説家、批評家。パリ理工科大学に学び、鉄道技師として働いたあとロンドンに渡り、『ザ・タイムズ』の寄稿者となる。1921年からは国際連盟事務局に移り、軍縮委員会(現軍縮会議)議長などを務める。ついで28年にはオックスフォード大学教授、スペイン第二共和制時代(1931~36)には駐米大使、駐仏大使を歴任。フランコ政権樹立後はイギリスに亡命して著述に専念。76年、40年ぶりに帰国。『盲人のロマンセ』(1922)などの詩作品や『神の敵』(1936)などの小説もあるが、コロンブスやボリーバルらの伝記、『スペイン』(1931)などの文明批評に健筆を振るった。
[佐々木孝]
『上原和夫訳『薔薇と十字架』(1956・みすず書房)』▽『佐々木孝訳『情熱の構造――イギリス人、フランス人、スペイン人』(1985・れんが書房新社)』