改訂新版 世界大百科事典 「マネッチア」の意味・わかりやすい解説
マネッチア
Manettia glabra Cham.et Schlecht.
アカネ科の常緑半つる性の草本状の低木。赤い花は長卵状漏斗形をなし,先端は浅く4裂し,美しい。別名のカエンソウ(火焰草)は花が赤いことによる。原産地は南アメリカ。枝は多く出て,枝や葉に毛がない。葉は心臓状卵形で先はとがり,鋸歯はない。対生する葉は平滑で光沢があり,葉柄は短い。花は葉腋(ようえき)に1個ずつ咲き,房状をなさない。花の筒状部は先端部に向かって少し膨らむ棍棒状をなし,長さ3~4cm,内面に毛がある。先端は浅く4裂し,各片は三角状をなし外側へ反る。おしべ4本,めしべ1本で,長く花外へ突出する。近縁種のアラゲカエンソウM.inflata Spragueは茎や葉の裏面に軟毛があり,花筒部の基部はやや膨らみ赤色で長さ2cmくらい,先端は黄色で外側へ反らない。めしべは花外へは突出しない。観賞用に温室で栽培される。繁殖は挿木による。夏季の高温時に発根しやすい。
執筆者:古里 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報