マハティール・ビン・モハマド(その他表記)Mahathir bin Mohamad

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

マハティール・ビン・モハマド
Mahathir bin Mohamad

[生]1925.12.20. アロールスター
マレーシアの政治家。首相在任 1981~2003,2018~ )。フルネーム Datuk Seri Mahathir bin Mohamad。シンガポールマラヤ大学医学部卒業。1964年与党統一マレー人国民組織 UMNOから下院議員に初当選。トゥンク・アブドゥル・ラーマン政権下の 1969年,人種政策を批判して「マレー人過激派」とみなされ党を除名された(→マレー人優先政策)。1970年の自著『マレー・ディレンマ』The Malay Dilemmaは発売禁止となった。1974年下院議員として政界復帰,教育大臣に就任。1981年7月から首相。日本,大韓民国の経済発展を範とするルック・イースト政策を展開,1980年代後半の円高による日本企業の進出にも助けられ,マレーシアの経済発展を軌道に乗せた。1990年12月東アジア経済会議 EAEC(→マハティール構想)を提示したが,アメリカ合衆国の反対にあい頓挫。1990年代後半になるとマレーシアの経済は不況に陥り,経済政策をめぐって副首相兼財務大臣のアンワル・イブラヒムと対立マハティールがアンワルを解任,逮捕したことから反政府デモが発生した。それでも 2003年まで務め,首相の座をアブドラ・アハマド・バダウィに引き継いだ。2008年公の場から引退したが,2018年の総選挙で野党連合の首相候補として復帰,大規模な不正財政疑惑がもたれたナジブ・ラザク率いる与党連合に勝利を収め,92歳で再び首相に就任した。

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