まんなおし

改訂新版 世界大百科事典 「まんなおし」の意味・わかりやすい解説

まんなおし

漁がないとき,漁民たちが,酒宴などをして大漁を祈願することで,間直し,真直しと書く。ゲンナオシ,シアワセナオシなどともいう。こうした習慣は,一種の運なおしであり,全国どこの漁村でも存在するが,もともとは,女性が,大きな霊力をもってこれに関与していたことが知られる。例えば,宮城県の牡鹿・桃生(ものう)の地方では,マンナオシのことをタルイレと呼び,漁民の主婦たちが,お神酒とオハネ(紙につつんだ米)をもって氏神に参ったり,神社におこもりをしたりする。また,高知県土佐清水市は,カツオの一本釣漁で有名であるが,ここでも,不漁のときなど,漁民の主婦たちが神社にこもり,海に向かって着物の裾をまくったりして,大漁を祈願する。そのほか,東北地方にみられる巫女みこ)の関与によるものなど,女性が漁の豊不漁を左右する大きな霊力をもつと考えられるのは,漁の神,船の神である船霊(ふなだま)が女の神として信じられ,これの祭祀をかつては女性が管轄していたことと関係するものであろう。なお,まんなおしに,船虫を防ぐために船底を焼く船たでを行う所もある。
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関連語 高桑

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「まんなおし」の意味・わかりやすい解説

まんなおし

不漁が続くときに行われる豊漁祈願の行事多くは氏神に参籠祈願し,あるいは景気づけに酒盛りをする。マンは幸福を意味する言葉

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