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船霊 ふなだま

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

船霊
ふなだま

船の守護神として漁民や船乗りたちに信仰されている神。船神様とか,お船様などとも呼ばれる。ご神体は女の毛髪,男女1対の人形,銭 12文,賽2個などで,帆柱を立てる立て木に彫った穴に格納する。

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百科事典マイペディアの解説

船霊【ふなだま】

船の守護霊。船神様とも。神体は女の髪,男女1対の人形,2個のさいころ,一文銭12枚,五穀など。帆柱の根元の〈つつ〉という部分に納める。正月2日または11日に船祝いを行う所が多い。
→関連項目沖言葉船下し

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世界大百科事典 第2版の解説

ふなだま【船霊】

船の守神,大漁の神として広く漁民の間で信仰されている神。出漁中に船霊がチンチンと鳴き,嵐や大漁を知らせるという伝承をもつところも多い。これを船霊様がイサムとかシゲルなどという。船霊は多くの場合船大工が管掌し,新造した船の船下しの直前に船にこめるのが普通である。船霊の神体とされるものは,男女一対の人形,銭12文,さいころ,あるいは女の毛髪であることが多く,これに化粧品,櫛,かんざし,はさみなどの女の持物や五穀を加えることもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

船霊
ふなだま

船の守護神として、ほぼ全国的に船乗りや漁師たちに信仰されている神霊をいい、「船玉」の字をあてることもある。地方によっては「船神様」とか「おふなだ様」「おがたま様」「十二ふなだま」などともよぶ。神霊は、船の帆柱を立てる船首の「つつ」という部分に穴をあけ、一組の御神体を納めて祀(まつ)られる例が多い。御神体には、女の毛髪、男女一対の人形、賽(さい)2個、銭12文、五穀を納める例が多く、紅やおしろい、ときにはネズミの糞(ふん)を入れる所もある。2個の賽は「天一地六オモテ三あわせトモ四あわせ」というように合わせ方が各地で一致している。しかし、男鹿(おが)半島、佐渡、越後(えちご)、隠岐(おき)など日本海沿岸や瀬戸内海の一部地域のように、船霊に対する信仰は行われながらも御神体をもたない所もある。御神体を納める習俗には各地に一致の多いところから、近世期廻船(かいせん)の間で流行したものがやがて全国に普及したのではないかと考えられている。各地で船霊様は女性神と観念されており、女が1人で船に乗ることを忌む所は多い。また若い女性が船霊の祭祀(さいし)に奉仕する所もあり、船霊信仰と沖縄のおなり神信仰との関連が問題とされている。船霊は、通常、船の新造のときに船大工が秘儀的に祝い込め、このことを「ごしんを入れる」とか「お性根(しょうね)入れ」という。船霊には「いさむ」という信仰現象があり、これは船霊の泣き声などと解釈される一種の音によって吉凶の前兆を示すといわれるもので、神の意志を伝える古い形式の現れといえよう。今日の船にも祀られる例が多い。[野口武徳]

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世界大百科事典内の船霊の言及

【漁業】より

…【二野瓶 徳夫】
【漁業信仰】
 漁民の生業は厳しい自然環境のなかで営まれるため,生命の安全,豊漁祈願に関し,種々の信仰がある。船の守護神としての船霊(ふなだま)信仰は古くから知られ,船霊の名は《続日本紀》や《延喜式》神名帳に見える。この特徴として,その発現する機会は,(1)特定の場――海路難所,岬などの聖地,(2)特定の時――天候の急変や神に対し粗相をした場合,(3)特定の人だけに予兆が感知される,などである。…

【職業神】より

…金屋神,金谷神,金鋳神,金井神などと呼ぶのもこの神であり,中国山地の鑪地帯においてもっとも濃厚で,鉄穴(かんな)から鑪,大鍛冶・小鍛冶,鋳物師,鋳掛屋,炭釜にいたるまで,鉄に関する職にたずさわるものはすべてこの神を守護神とした。 海を生業の場とする漁民は,漁の道具一つ一つに神霊が宿ると考え,船には船霊(ふなだま),網には網霊があると信じたが,ことに船霊は船の守護神として,もっとも深く信仰される。一般に船霊の神体は,男女一対の人形,銭12文,女の毛髪,双六の賽2個とされる。…

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