ミシシッピワニ(読み)みししっぴわに(英語表記)Mississippi alligator

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミシシッピワニ」の意味・わかりやすい解説

ミシシッピワニ
みししっぴわに
Mississippi alligator
American alligator
[学] Alligator mississippiensis

爬虫(はちゅう)綱ワニ目アリゲーター科のワニ。アメリカ合衆国の北緯35度以南のミシシッピ川下流域、メキシコ湾沿岸地方、フロリダ半島に分布する。全長2~3メートル、最大5.7メートルに達するアリゲーター科の最大種であるが、現在では大形個体はあまりみられない。吻(ふん)部が扁平(へんぺい)で幅広く、吻端は丸みを帯びる。河川、湖沼淡水に生息し、後肢には水かきが発達して遊泳が巧みである。性質はおとなしく、餌(えさ)は小哺乳(ほにゅう)類、水鳥、魚、カエル、ヘビなどで、幼体ではザリガニなどの甲殻類、水生昆虫が主食である。雌は初夏になると水辺に泥と植物や枯れ枝で巣をつくり、15~80個ほどを産卵し、これを守る。さらに雌親は翌春まで子ワニと過ごし世話をする。

[松井孝爾]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミシシッピワニ」の意味・わかりやすい解説

ミシシッピワニ
Alligator mississippiensis; American alligator

ワニ目アリゲーター科。体長4~5mで,ときに 6mに達する。体の背面黒みがかった緑褐色で,腹面は白っぽい。吻端は丸く扁平で,頭,胸部の間のくびれがほとんどない。後肢に蹼 (みずかき) がよく発達している。夏に巣をつくり,直径 7cmぐらいの卵を 15~80個産む。産卵後,雌は土をかぶせてその巣を守り孵化のとき子ワニが土中から脱出するのを手伝うという。肉食性であるが性質は温順で,ヒトを襲うことはきわめてまれとされる。北アメリカ南東部に分布する。

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