デジタル大辞泉
「守り」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ま‐もり【守・護】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「まもる(守)」の連用形の名詞化 )
- ① 見張りをすること。敵に対する備えをかまえること。また、そのような人やもの。特に、辺境守備のための城や敵を防ぐためのとりでなどをさすこともある。守備。警備。警護。
- [初出の実例]「仍りて我が久礼山の戍(マモリ)を擯(お)ひ出でて」(出典:日本書紀(720)欽明五年三月(寛文版訓))
- ② 神仏などがわざわいを取り除き、幸運をもたらしてくれること。神仏などの加護があること。また、そのような神仏。守り神。守護神。
- [初出の実例]「御とくにとしごろねたき物うち殺し侍りぬ。今よりはながき御まもりとなり侍るべき」(出典:大和物語(947‐957頃)一四七)
- ③ 神仏の霊がこもっていて人を守護するという、小さな品物や札。おまもり。守り札。護符。また、これを身につけるための袋。守り袋。
- [初出の実例]「まもりおきて侍りける男の、心かはりにければ、其まもりを返しやるとて」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋三・七六一・詞書)
- ④ 護身用としていつも身につけておく短い刀。懐刀。守り刀。
- [初出の実例]「古部三郎兵衛といふ人に此守(マモリ)を証拠に廻り合ひ」(出典:浄瑠璃・生写朝顔話(1832)浜松の段)
- ⑤ 紋所の名。守り札や守り袋をかたどって図案化したもの。祇園守、筒守などの種類がある。
祇園守@筒守
守りの補助注記
古くから「まぼり」の形もあった。
まぼり【守・護】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「まぼる(守)」の連用形の名詞化 )
- ① =まもり(守)①
- [初出の実例]「あふひかつらともまいる。かうしん御まほりあり」(出典:御湯殿上日記‐文明一三年(1481)四月一六日(頭書))
- ② =まもり(守)②
- [初出の実例]「ましておはしまさぬあとには、さやうに御まぼりにてもそひまうさせ給つらん」(出典:大鏡(12C前)三)
- ③ =まもり(守)③
- [初出の実例]「〈末〉四方山の 人の万保里(マボリ)に する鉾を 神の御前に 斎ひ立てたる 斎ひ立てたる」(出典:神楽歌(9C後)採物・鉾)
まぶり【守・護】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「まぶる(守)」の連用形の名詞化 )
- ① =まもり(守)①
- [初出の実例]「我等が先祖、秀郷将軍、東域をしづめてよりこのかた、ひさしく朝家の御守(マフリ)として世をしづむ」(出典:西行物語(鎌倉中))
- ② =まもり(守)②
- [初出の実例]「菜の花や畑まふりの大蕪〈毛紈〉」(出典:一茶方言雑集(1819‐27頃))
- ③ =まもり(守)③
- [初出の実例]「かたく小さき蓮の実なり。〈略〉これを錦のふくろに縫ひくくみて、まふりにかけてけり」(出典:撰集抄(1250頃)八)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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