日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミノウスバ」の意味・わかりやすい解説
ミノウスバ
みのうすば / 蓑薄翅蛾
[学] Pryeria sinica
昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラガ科に属するガ。はねの開張25~35ミリメートル。体は軟毛に覆われ、胸部は黒く、腹部は赤褐色、尾端には黒色の長毛が束になって生えている。はねは透明であるが、翅脈は黒っぽく、前翅基部は黄色みを帯びる。日本本土、対馬(つしま)、朝鮮半島、中国に分布する。成虫は晩秋に羽化し、陽光の下で活発に飛ぶ。ニシキギ科のマサキの枝に産み付けられた卵塊はそのまま越冬し、翌春孵化(ふか)して葉を食べ、5~6月に蛹化(ようか)する。多発するとマサキの生け垣が坊主になってしまう。ほかのニシキギ科にも寄生する。
[井上 寛]