ミノウスバ(読み)みのうすば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミノウスバ」の意味・わかりやすい解説

ミノウスバ
みのうすば / 蓑薄翅蛾
[学] Pryeria sinica

昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラガ科に属するガ。はねの開張25~35ミリメートル。体は軟毛に覆われ、胸部は黒く、腹部は赤褐色、尾端には黒色の長毛が束になって生えている。はねは透明であるが、翅脈は黒っぽく、前翅基部は黄色みを帯びる。日本本土、対馬(つしま)、朝鮮半島、中国に分布する。成虫晩秋に羽化し、陽光の下で活発に飛ぶ。ニシキギ科マサキの枝に産み付けられた卵塊はそのまま越冬し、翌春孵化(ふか)して葉を食べ、5~6月に蛹化(ようか)する。多発するとマサキの生け垣坊主になってしまう。ほかのニシキギ科にも寄生する。

[井上 寛]


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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ミノウスバ」の解説

ミノウスバ
学名:Pryeria sinica

種名 / ミノウスバ
解説 / 昼間飛びます。マサキの周辺に見られます。
目名科名 / チョウ目|マダラガ科
体の大きさ / (前ばねの長さ)12~14mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 11月
幼虫食べ物 / マサキ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミノウスバ」の意味・わかりやすい解説

ミノウスバ
Pryeria sinica

鱗翅目マダラガ科。前翅長 11~16mm。翅は透明で細長い。触角は雄では櫛状,雌ではほぼ棍棒状。口吻は退化している。全体黄色の長軟毛を密生するが,胸部と腹端に黒色毛がある。成虫は晩秋に出現し,昼間飛翔する。幼虫はマサキの葉を食べる。北海道,本州四国,九州,朝鮮,中国北部に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のミノウスバの言及

【マダラガ(斑蛾)】より

…タケノホソクロバBalataea funeralisは,タケやササの害虫であるばかりでなく,毒針毛をもつので,触れると皮膚にささり,痛みや発疹ができる。このほか日本で害虫とされているものは,マサキやニシキギの葉を食害するミノウスバPryeria sinica,ウメやサクラにつくウスバツバメガElcysma westwoodii,ウメスカシクロバIlliberis rotundata,リンゴ,ナシ,サクラなどを食害するリンゴハマキクロバI.pruniなどがある。【井上 寛】。…

※「ミノウスバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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