日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
メソッド・エンジニアリング
めそっどえんじにありんぐ
method engineering
1939年にH・D・メイナードが提唱した生産性を最大にするための作業研究の一つの方法。生産における適正な生産量、在庫量、また品質とコストを維持するために必要な作業の動作系統を分析したり、設計する。一般に、作業研究は大きく分けて、作業方法の改善や標準化を行うメソッド・エンジニアリング(または方法研究ともよぶ)と、標準時間の設定を行う作業測定からなる。たとえば、あらかじめ原価分析を行った結果、構内の運搬関連の経費が同業他社に比べて多すぎる問題があったとすれば、工場レベルでの運搬全体に関して、定量的に分析する必要がある。そこで、工程分析として、運搬関連の分析(いわゆる、運搬分析)および、運搬にもっとも関連の深いレイアウトの分析(いわゆる、流れ分析)を実施して、工程内の欠陥を指摘し、その改善の具体案を設計することが、メソッド・エンジニアリングである。
[玄 光男]