デジタル大辞泉 「もがな」の意味・読み・例文・類語 もがな[終助] [終助]《終助詞「もが」+終助詞「な」から》名詞、形容詞および助動詞「なり」「ず」の連用形、助詞に付く。上の事柄の存在・実現を願う意を表す。…があればいいなあ。…(で)あってほしいなあ。「み吉野の山のあなたに宿―世のうき時の隠れ家にせむ」〈古今・雑下〉[補説]「もが」「もがも」に代わって中古以後用いられた。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「もがな」の意味・読み・例文・類語 もが‐な ( 終助詞「もが」「な」の重なったもの。上代の「もがも」に代わって中古以後に用いられた形 ) 文末において体言・形容詞や打消および断定の助動詞の連用形・格助詞「へ」などを受け、願望を表わす。[初出の実例]「ありはてぬ命待つ間のほどばかりうき事繁く思はずもかな〈平貞文〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑下・九六五)もがなの語誌成立に関しては一般に、願望を表わす「もが」に感動を表わす「な」の付いたものとするが、中古「もがな」が「も哉」とも表記されたこと、また「をがな」の形、さらには「がな」の形も用いられていることなどから、当時「も‐がな」の分析意識があったと推測される。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例