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 ナ

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デジタル大辞泉の解説

な[五十音]

五十音図ナ行の第1音。歯茎鼻音の有声子音[n]と母音[a]とから成る音節。[na]
平仮名「な」は「奈」の草体から。片仮名「ナ」は「奈」の初2画から。

な[副]

[副]
あとに動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を伴って、禁止の意を表す。…するな。
「妹があたり我(あ)は袖振らむ木の間より出て来る月に雲―たなびき」〈・一〇八五〉
「な…そ」の形で、動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を間にはさんで、相手に懇願しつつ婉曲に禁止する意を表す。どうぞ…してくれるな。
「ほととぎすいたく―鳴きそ汝(な)が声を五月の玉にあへ貫(ぬ)くまでに」〈・一四六五〉

な[感]

[感]なあ」に同じ。「、わかっただろう」

な[助動]

[助動]
断定の助動詞「だ」の連体形。

断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化「なん」の、撥音の無表記。→ななりなめりならし
《中世語》断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化。
「連銭(れんぜん)芦毛(あしげ)馬ニ金覆輪(きんぶくりん)ノ鞍ヲ置イテ」〈天草本平家・二〉
完了の助動詞「ぬ」の未然形。→ななむなむなまし
打消しの助動詞「ず」の未然形の古形。→なくなくになな

な[終助・間助・格助・係助]

[終助]
動詞・動詞型助動詞の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。禁止の意を表す。「油断する」「まだ帰る
「かの尼君などの聞かむに、おどろおどろしく言ふ―」〈・夕顔〉
《補助動詞「なさる」の命令形「なさい」の省略形》動詞・動詞型助動詞の連用形に付く。命令の意を表す。「早く行き」「好きなようにやり
活用語の終止形、助詞に付く。
㋐軽い断定・主張の意を表す。「これは失敗だ
㋑(多く「なさい」「ください」「ちょうだい」などに付いて)命令をやわらげていう意を表す。「これください」「お手伝いしてちょうだい
㋒相手の返答・同意を求めたり、念を押したりする意を表す。「君も行ってくれるだろう」「早めに片付けよう
「こは常陸(ひたち)の宮ぞかし―、しか侍りと聞こゆ」〈・蓬生〉
㋓感動・詠嘆の意を表す。「この暑さにはまいった」「楽しい
「花の色はうつりにけり―いたづらにわが身世にふるながめせしまに」〈古今・春下〉
《上代語》動詞・動詞型助動詞の未然形に付く。
㋐自分の決意・願望を表す。…しよう。…したい。
「帰るさに妹に見せむにわたつみの沖つ白玉拾(ひり)ひて行か―」〈・三六一四〉
㋑他に対する勧誘・願望の意を表す。…しようよ。
「梅の花今盛りなり思ふどちかざしにして―今盛りなり」〈・八二〇〉
[間助]文末や、文中の種々の切れ目に用いる。語勢を添えて、自分の言葉を相手に納得させようとする気持ちを表す。「あの店は、品物がいいんだ」「彼、来られないんだって」
[格助]
《上代語》名詞に付く。連体修飾格を示す。の。
「ま―かひに、もとなかかりて」〈・八〇二〉
《格助詞「に」の音変化。上代東国方言》時間・場所を表す。に。
「草陰の安努(あの)(=地名)―行かむと墾(は)りし道安努は行かずて荒草立ちぬ」〈・三四四七〉
[補説]1は現在「まなこ(眼)」「みなと(港)」などの語にその形をとどめる。
[係助]係助詞「は」が直前の撥音「ん」と融合して音変化したもの。
「また生滅々已(しゃうめつめつい)の心北門―建長寺」〈虎明狂・鐘の音
[補説]能・狂言・平曲などに行われたが、本文表記は「は」のままなのが普通。

な[接尾]

[接尾]時を表す名詞に付いて、並列するのに用いる。「朝」「朝

な[接尾]

[接尾]《上代語》人を表す名詞に付いて、親愛の意を添える。「せ」「いもろ」

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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大辞林 第三版の解説

五十音図ナ行第一段の仮名。歯茎鼻音の有声子音と後舌の広母音とから成る音節。
平仮名「な」は「奈」の草体。片仮名「ナ」は「奈」の初二画。

( 副 )
〔形容詞「なし」の語幹から派生した語という〕
動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)の上に付いて、その動詞の表す動作を禁止する意を表す。特に、動詞の下にさらに「そ」「そね」を伴い、「な…そ」「な…そね」の形をとる場合が多い。 「我が舟は比良の湊に漕ぎ泊てむ沖辺-離さかりさ夜ふけにけり/万葉集 274」 「沖つかいいたく-はねそ辺つかいいたく-はねそ/万葉集 153」 「床敷きて我が待つ君を犬-吠えそね/万葉集 3278

( 感 )
なあ 」に同じ。 「 -、君もそう思うだろう」

( 助動 )
断定の助動詞「だ」の連体形。 → だ(助動)
完了の助動詞「ぬ」の未然形。 → ぬ(助動)ななむなまし
上代における打ち消しの助動詞「ぬ」の未然形。 → ず(助動)なくなな
断定の助動詞「なり」が推量の助動詞「めり」、伝聞推定の助動詞「なり」などに続く場合、撥音便の形「なん」となり、その「ん」が表記されなかったもの。 → なめりななり

( 格助 )
〔上代語。奈良時代にはすでに自由な用法がなく、限られた語の中にみられるだけである〕
名詞を受け、それが下の名詞に連体修飾語として続くことを示す。格助詞「の」「が」「つ」と同じ用法のもの。「手―末」「眼―かい」「眼―こ」など。

( 終助 )
〔上代語〕
動詞および一部の助動詞の未然形に接続する。
話し手の希望や決意、また、聞き手に対する勧誘を表す。…したいな。…しようよ。 「熟田津にきたつに舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出で-/万葉集 8」 「馬並めていざ野に行か-萩の花見に/万葉集 2103」 「秋の田の穂向きの寄れる片寄りに君に寄りな-言痛こちたくありとも/万葉集 114
聞き手の行為に対する期待・願望を表す。…してほしい。 「この御足跡みあと八万やよろず光を放ち出だし諸々もろもろ救ひ済わたしたまは-救ひたまは-/仏足石歌」

( 終助 )
文末にあって、活用語の終止形や助詞(古くは体言にも)に接続する。
感動や詠嘆の意を表す。 「ずいぶん立派になった-」 「かれぞこの常陸守の婿の少将-/源氏 東屋」 「花の色は移りにけり-/古今 春下
軽い主張や断定、また念を押す意を表す。 「あやまるなんて、いやだ-」 「確かなことだと思う-」 「あべの大臣、火ねずみの皮衣もていましてかぐや姫に住み給ふと-/竹取」
同意を求め、また、相手の返答を誘う意を表す。 「以前お会いしました-」 「本の代金いくらだか覚えていないか-」
「…ないかな」「…といいな」「…と思うがな」などの形で、軽い願望の意を表す。 「だれか来ないか-」 「早く来るといい-」 「いいと思うが-」
「…(て)ください」「…なさい」などに付いて、依頼・勧告の意を表す。 「早く起きてください-」 「勉強なさい-」
( 間投助 )
文節末に付いて、相手に言い聞かせるような気持ちを添える。 「あの-、いいことを教えてやろう」 「それから-、二軒ほど立ち寄っただけだよ」 「鯉を求めてくれいと-仰せられてござる/狂言・鱸庖丁 虎寛本」 〔現代語では、は女性の言葉、それ以外はもっぱら男性の言葉に用いられる〕

( 終助 )
動詞・助動詞の終止形(ラ行変格活用には連体形)に接続して、強い禁止の意を表す。 「決して油断する-」 「泣く-、泣く-」 「竜の頸くびの玉取りえずは、帰り来-/竹取」 「我妹子を早み浜風大和なる我松椿吹かざる-ゆめ/万葉集 73」 〔中世・近世には連用形や未然形にも接続することがあった。「ショセンコノ黄金ヲバシャントモトラセラレ-/天草本伊曽保」「万一うせたりとも物いふな。顔も見-/浄瑠璃・宵庚申 」「さては俺に此の邸へ来-との言分ぢやな/歌舞伎・富士見る里」〕

( 終助 )
〔補助動詞「なさる」の命令の言い方「なさい」を省略したものから。話し言葉でのぞんざいな言い方に用いられる。近世江戸語以降の語〕
動詞の連用形またはその撥音便の形、助動詞「せる」「させる」の連用形などに付いて、命令する気持ちを表す。 「さっさと起き-」 「早く入ん-」 「あの人に持たせ-」

( 接尾 )
主に時を表す名詞に付いて、それを並列するのに用いられる。 「朝-朝-」 「朝-夕-」

( 接尾 )
〔上代語〕
人を表す語に付いて、親愛の意を添える。 「せ-」 「いも-ろ」

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第5行第1段の仮名。平仮名の「な」は「奈」の草体から、片仮名の「ナ」は「奈」の初めの2画からできたものである。万葉仮名では「奈、那、南、難、儺、寧、乃、娜、男(以上音仮名)、七、名、魚、菜、嘗(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(奈)」「(那)」「(難)」「(南)」などがある。
 音韻的には/na/で、舌先と上歯茎との間を閉じた舌内鼻音の[n]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「な」もあった(「善悪(ゼンナク)」「恩愛(オンナイ)」「淳和(ジュンナ)」……)。[上野和昭]

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