もがも

精選版 日本国語大辞典 「もがも」の意味・読み・例文・類語

もが‐も

(終助詞「もが」「も」の重なったもの。→もが) 文末において体言形容詞および断定助動詞連用形副詞助詞「し」「て」などを受け、願望を表わす。さらに「な」「や」「よ」の下接した形もある。
書紀(720)仁徳二二年正月・歌謡「貴人の 立つる言立 うさゆづる 絶えば継がむに 並べて毛餓望(モガモ)
[語誌](1)「もがも」は主に上代に見られ、平安時代にはこれにかわって「もがな」が用いられるようになる。ただし、後にも「金槐集」など万葉調の歌には例が見られる。
(2)発生的には「もが」に「も」が下接したものであるが、「万葉集」で「毛欲得」「母欲得」「毛冀」などと表記されている例もあるところから、上代にすでに「も‐がも」という分析意識があったと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「もがも」の意味・読み・例文・類語

もがも[終助]

[終助]《終助詞「もが」+終助詞「も」から。上代語》名詞、形容詞および助動詞「なり」の連用形、副詞、助詞に付く。上の事柄存在実現を願う意を表す。…があればいいなあ。…(で)あってほしいなあ。
岩戸いはと割る手力たぢから手弱たよわをみなにしあればすべの知らなく」〈・四一九〉
[補説]中古以後は「もがな」に代わった。

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