ものみの塔(読み)ものみのとう(その他表記)The Watchtower

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ものみの塔」の意味・わかりやすい解説

ものみの塔
ものみのとう
The Watchtower

「ものみの塔聖書冊子協会 (通称エホバ証人) 」の創始者 C.T.ラッセルが 1879年に創刊した同協会の機関紙で,聖書に関する大衆的定期小冊子。日本でも 1953年同協会が設立され,『ものみの塔』の名称で邦文冊子が刊行されている。「エホバの証人」とはアメリカで生れた至福千年説を奉じる宗教団体で,その前身は 1872年ピッツバーグでラッセルが創設した国際聖書学生協会。「エホバの証人」の名称は 1931年後継者の J.ラザフォードの命名。旧約聖書の神エホバ (→ヤハウェ ) が真の神であることを強調し,黙示文学に基づいて至福千年の到来を予言した。また真の神にのみ礼拝すべきであるとして,国家や既成教会などに対する表敬行為 (たとえば国旗敬礼) や奉仕なども拒絶。人対人戦術と『ものみの塔』など書籍配布によって急速に全世界に広まり,良心の自由の尊重,平和,反戦などに貢献しているが,ファンダメンタリズムの傾向が強く,反進化論,輸血拒否などの姿勢を貫く。

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改訂新版 世界大百科事典 「ものみの塔」の意味・わかりやすい解説

ものみの塔 (ものみのとう)
Watch Tower

一般に〈エホバの証人Jehovah's Witness〉として知られるキリスト教一派,および〈ものみの塔聖書冊子協会Watch Tower Bible and Tract Society〉の機関誌名。アメリカ人のラッセルCharles Taze Russell(1852-1916)によって1884年に創立された。エホバ(ヤハウェ)のみを神として礼拝するゆえに国旗敬礼や徴兵も拒否する。奉仕者の戸別訪問による冊子配布伝道でも有名。日本では第2次大戦前,中の灯台社の活動が知られるが,1953年に再組織され,現在会員数は約5万,世界では約200万といわれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ものみの塔」の意味・わかりやすい解説

ものみの塔
ものみのとう

エホバの証人

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世界大百科事典(旧版)内のものみの塔の言及

【灯台社】より

…ニューヨークのものみの塔聖書小冊子協会Watch Tower Bible and Tract Societyの日本支部で,明石順三(1889‐1965)を支部長として1926年に結成されたキリスト教団体。彼らは聖書を無謬の記録とし,唯一の神を信じて偶像崇拝を禁じ,キリストの間近い再臨により,悪魔の支配する地上の制度・機構は滅ぼされるとし,戦争を聖書のいう殺人罪として認めず,兵役拒否を唱えた。…

※「ものみの塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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