モルネー(その他表記)Mornay, Philippe de, Seigneur du Plessis-Marly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モルネー」の意味・わかりやすい解説

モルネー
Mornay, Philippe de, Seigneur du Plessis-Marly

[生]1549.11.5. バルドアーズ,ビュイ
[没]1623.11.11. ドゥセーブル,ラフォレシュルセーブル
フランス,ユグノーの指導者。デュプレシ=モルネー Duplessis-Mornayの名で一般に知られている。カルバン主義の影響を母から強く受け,ジュネーブ,ハイデルベルクで学んだのち,ベネチアパドバなどイタリアの諸都市をたずねて,法律家,外交官としての修業を積んだ。ユグノーの指導者コリニー伯の友人となり,サン=バルテルミの虐殺を危うく免れ,ナバール (ナバラ) 王 (のちのアンリ4世) の顧問となった。 1589年アンリ3世とナバール王との和解を成功させ,ソーミュールの地方総督に任命された。同宗者に大きな知的影響を与え「ユグノーの父」と慕われた。アンリ4世の即位にも尽力したが,のち王の改宗に絶望し,ラフォレシュルセーブルに引退。 H.ランゲとの協力になる『暴君に対する反抗権利』 Vindiciae contra tyrannos (1579) は宗教戦争時代の最も重要な文献一つで,そこでは「神の法が犯された場合,または公共利益のために王と人民との間にかわされた双務的契約が破られた場合,反乱の権利は正当」とされている。

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