モンクロシャチホコ(読み)もんくろしゃちほこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンクロシャチホコ」の意味・わかりやすい解説

モンクロシャチホコ
もんくろしゃちほこ / 紋黒天社蛾
[学] Phalera flavescens

昆虫綱鱗翅(りんし)目シャチホコガ科に属するガ。フナガタケムシ、サクラケムシともよばれる。はねの開張40~50ミリメートル。前翅は明るい灰黄色で、基部に紫黒色の紋があり、外縁部には同色の太い帯がある。後翅の外縁近くに暗色帯を薄く現すことが多い。日本本土、対馬(つしま)、台湾、隣接大陸に分布する。年1回の発生で、夏によく灯火に飛来する。幼虫はサクラ、ナシなどバラ科の害虫で、群生して大害を与えることがある。秋に土中に入って蛹化(ようか)し越冬する。

[井上 寛]

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