ヤマボクチ(読み)やまぼくち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤマボクチ」の意味・わかりやすい解説

ヤマボクチ
やまぼくち / 山火口
[学] Synurus palmatopinnatifidus (Makino) Kitam. var. indivisus Kitam.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。高さ1メートルに達する。葉はゴボウの葉に似ており、裏面に白綿毛を密生する。9~10月、卵状球形の頭花をつける。山地日当りのよい斜面に生え、愛知県以西の本州から九州にかけて、および朝鮮半島に分布する。葉がキクのように掌状に中裂するものをキクバヤマボクチといい、また葉が正三角形に近い矛形のものをハバヤマボクチという。火口は火をおこすときに使うものの名であり、ボクチとあるのは葉裏の白綿毛を火口に利用したことに由来する。

[小山博滋 2022年5月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ヤマボクチ」の意味・わかりやすい解説

ヤマボクチ

キク科の多年草。本州〜九州,朝鮮半島の温帯の日当りのよい山地にはえる。茎は高さ70〜100cm,上部は分枝し,葉は卵状長楕円形で長さ15〜25cm,裏面には白綿毛がある。10〜11月,細長い枝の先に筒状花からなる頭花を横向きに開く。頭花は径3〜4cmで淡黄色ときに紅紫色総包片針状で外片は外に開く。全体やや大型のオヤマボクチは葉が広卵形暗紫色の頭花を開く。

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世界大百科事典(旧版)内のヤマボクチの言及

【オヤマボクチ】より

…若芽を餅にいれて食用とするし,根や若い茎も食べられる。オヤマボクチは葉の裏の綿毛を火口(ほくち)に使ったため,その名がある。地方によって本種をヤマゴボウと呼ぶ。…

※「ヤマボクチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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