日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユウガギク」の意味・わかりやすい解説
ユウガギク
ゆうがぎく / 柚香菊
[学] Aster iinumae Kitam.
Kalimeris pinnatifida (Maxim.) Kitam.
キク科(APG分類:キク科)の多年草。地下に長い根茎がある。茎は直立し、高さ0.5~1.5メートル。葉は3、4対に浅く切れ込んで縁(へり)に毛があり、質は薄い。7~10月、散房状花序をつくり、径約2.5センチメートルの頭花を多数つける。周辺の舌状花は白色または淡紫色、中央の管状花は黄色。痩果(そうか)は長さ2.5ミリメートル、冠毛は長さ約0.3ミリメートルである。山野の日当りのよい草地に生え、東北地方から中部地方に分布する。頭花が径3.2センチメートルと大きく、葉が厚く、冠毛が1ミリメートルと長いオオユウガギクA. yomena var. angustifolius (Nakai) Soejima et Igari(K. incisa (Fisch.) DC.)は本州西部から九州、および朝鮮半島、中国東北部、シベリアに分布する。なお、同属のヨメナはこのオオユウガギクとコヨメナの交雑種と考えられているもので、古くから食用とされる。
[小山博滋 2022年5月20日]