ゆべし

デジタル大辞泉プラス 「ゆべし」の解説

ゆべし〔愛知県・奈良県〕

愛知県の奥三河地域、奈良県や四国山間部などでつくられるユズの加工食品。ユズの実を上部が蓋になるよう水平に切って中身をかき出し、赤味噌・砂糖・みりん・ゴマまたは刻んだ落花生などと混ぜ合わせてから、皮の容器に詰めなおし、蒸し器で蒸して天日干しにする。その後、軒下で3~4ヶ月ほど乾燥させ、薄切りにして酒の肴や握り飯の具などにして食する。似た製法で、糯米(もちごめ)などを詰める同名の和菓子北陸中部地方などに見られるが、それとは異なる保存食。

ゆべし〔富山県〕

富山県西部に伝わる郷土料理。煮溶かした寒天に醤油・砂糖・みりんで味つけし、とき卵とショウガのしぼり汁を入れたものを器に流し入れ、冷やして固める。固まったら好みの大きさに切り分けて食する。主に祭りなどの行事食としてつくられる。同県東部や石川県に伝わる「べっこう」に似るが、甘さを控えた味つけ。「ゆべす」ともいう。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

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