ユークセン石
ゆーくせんせき
euxenite-(Y)
複酸化鉱物の一つ。少量成分としてウランあるいはトリウムがつねに含まれ、放射能鉱物の一つでもある。花崗(かこう)岩質ペグマタイト中に産し、板状結晶あるいは粒状をなす。日本では、岩手県遠野(とおの)市、富山県南砺(なんと)市などで産出する。化学式は合成実験から導かれたもので、少量成分はつねに存在する。英名は、ギリシア語で外来物に対する親和性を意味するユークセノスeuxenosに由来し、成分の複雑さを表現している。
[加藤 昭]
ユークセン石(データノート)
ゆーくせんせきでーたのーと
ユークセン石
英名 euxenite-(Y)
化学式 YTiNbO6
少量成分 ΣCe,Ca,U,Th,Pb,Fe,Mn,
Mg,Al,Sn,Ta,Zr,H2O
結晶系 斜方(直方)
硬度 5.5~6.5
比重 5.3~5.9
色 暗赤褐~黒
光沢 亜金属
条痕 赤褐
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
その他 放射能有
現在はeuxenite-(Y)のみが知られる
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のユークセン石の言及
【ニオブ・タンタル鉱物】より
…ニオブとタンタルは性質が酷似していて,天然には常に両者相伴って存在する。フェルグソン石fergusonite ABO4,ユークセン石euxenite AB2O6(斜方晶系,比重約5),サマルスキー石samarskite(化学式はAB2O6とABO4の中間の組成で,どちらもA+Bの数がOの数の1/2である。結晶中で次のAとBの元素が互いに入れかわりうるため,一つの化学式で示しにくい。…
※「ユークセン石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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