ヨーロッパ通貨単位(読み)ヨーロッパつうかたんい(英語表記)European Currency Unit; ECU

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ通貨単位」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ通貨単位
ヨーロッパつうかたんい
European Currency Unit; ECU

ヨーロッパ共同体 EC加盟各国通貨の加重平均値をとった通貨単位で,エキューと呼ばれる。 1979年3月にヨーロッパ通貨制度 EMSが発足したのに伴って導入された。公的 ECU民間 ECUとに分けられるが,通常は EMS加盟国の通貨を構成通貨とした公的 ECUをいう。各国の構成単位は,各構成国の GNPと EC域内貿易に占めるシェアを勘案して算出された。公的 ECUはヨーロッパ通貨協力基金 FECOMに各国中央銀行が保有していた金・ドル準備高の 20%を預託した対価として創出され,機能としては準備資産および各国通貨当局間の決済手段,為替相場メカニズム ERM (Exchange Rate Mechanism) における中心相場の設定基準で,EC当局における唯一の表示単位としての役割を果たしていた。民間 ECUは ECU建て預金,ECU建て債券として創出され流通した。 95年のマドリード首脳会議で,EUの通貨統合に伴う共通通貨の正式名称が ECUからユーロに変更されることが決定,99年1月1日,1ECU=1ユーロの交換レートでユーロに切替った。なお ECUの前には UA (unit of account) が使われていたが,これは通貨とは異なり決済手段としての機能はなく,記帳処理などを目的とした計算単位だった。

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