ERM(読み)いーあーるえむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ERM」の意味・わかりやすい解説

ERM
いーあーるえむ

危機管理手法の一つ。enterprise risk managementの略で、全社リスクマネジメントともいう。企業におけるあらゆるリスクを管理するために、取締役会から従業員にいたるまでの企業全体で行われる。一般的なリスクマネジメントでは、財務部が財務リスクを管理する、総務部が建物の防災リスクを管理する、という具合に個別のリスクを低減することが眼目であった。しかし、従来の方法では個々のリスクの関係性や優先順位などを把握することがむずかしかった。また、自然災害、テロなど全社が大きな影響を受けるリスクの場合、部署単位の対応には限界があった。そのため全社的リスクマネジメントにおいては経営トップによる全社管理を重視し、最高経営責任者(CEO直属の最高危機責任者(CRO:chief risk officer)がすべてのリスク分析、管理を行い、総合的なシミュレーションを行う。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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