ヒトが感じる音の大きさ(感覚量)を測る計器。ヒトの聴覚は同じ音量(音圧)でも、音の周波数が高ければ大きく、低ければ小さく聞こえる。こうした聴覚の特性を考慮して補正された、ヒトの感じる音の大きさがラウドネスレベルloudness levelで表され、ラウドネスメーターで測定される。測定単位には、phon(フォン)とLKFS(Loudness, K-weighted, relative to Full Scale)がある。phonは実際に聞いている音の、LKFSは録音データのラウドネスレベルの表示に用いられる単位である。録音データの補正に使用するアルゴリズムの違いにより、LUFS(Loudness Unit, referenced to Full Scale)の単位を使う場合もある。
テレビ放送では、番組からコマーシャルになると音量が大きくなったり、チャンネルを切り替えた際に聞こえにくくなったりすることがあった。こうした現象を抑えるためには、音声の収録時や編集時に、従来からの音圧レベルの調整だけでなく、ラウドネスレベルの補正も必要になる。
電波産業会(ARIB:Association of Radio Industries and Businesses)やNHK(日本放送協会)、日本民間放送連盟(民放連)は、国際標準にのっとったラウドネス運用規準を決め、2012(平成24)年10月1日の放送から適用した(コマーシャルについては2013年3月末までを実施調整期間とした)。ラウドネスレベルの目標値を-24LKFSとし、生放送ではラウドネスメーターで測定し、番組やコマーシャル、各放送チャンネル間での音量感のばらつきを最小限に抑えるように規定が設けられた。
[編集部]
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