ラケナリア(読み)らけなりあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラケナリア」の意味・わかりやすい解説

ラケナリア
らけなりあ
[学] Lachenalia

ユリ科(APG分類:キジカクシ科)の半耐寒性秋植え球根草。葉は細長く肉厚。高さ20~30センチメートルの花茎に、筒形の小花を多数、穂状または総状につける。南アフリカ原産で、原種だけで90種以上ある。開花期は12~4月と幅広く、花色も紅、橙(だいだい)、黄、緑、紫、茶色と多彩である。ムタビリス種L. mutabilis Loddは紫色花を上向きに開く。アロイデス種L. aloides hort. ex Asch et Graebn. (L. tricolor Jacq. f.)は矮性(わいせい)で、花は緑、黄、橙色の3色からなる。変種にオーレア種var. aureaがあり、これは高性で、橙黄(とうこう)色の大輪花を開く。繁殖は分球、葉挿し、実生(みしょう)などにより、9月中旬~下旬、4号鉢に3~5球を目安に植え付け、フレームか室内の窓辺で栽培する。晩夏に葉が黄変したら、鉢ごと乾かし、秋まで貯蔵する。

[平城好明 2019年4月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラケナリア」の意味・わかりやすい解説

ラケナリア
Lachenalia; cape cowslips

ユリ科ラケナリア属の総称。南アフリカに 100種近くが分布する球根植物披針形または線形の葉が根出し,条斑 (じょうはん) や斑点の入る種類もある。花茎の先に総状または穂状花序を形成。花被は基部で合着,鐘状または管状を呈し,下垂または上向きにつく。花色は赤,橙,黄,青,紫,白,緑など非常に多彩。微妙な中間色もあって美しい。切り花や鉢植えに利用される。日当りと水はけのよい砂質土壌を好む。晩春茎葉が枯れてきたら,水やりを中止して鉢ごと日陰に置き,休眠させる。

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