ラケナリア(その他表記)Cape cowslip
Lachenalia

デジタル大辞泉 「ラケナリア」の意味・読み・例文・類語

ラケナリア(〈ラテン〉Lachenalia)

キジカクシ科の球根植物南アフリカ原産。高さ20~30センチ。冬から春に、筒状の花をつける。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラケナリア」の意味・わかりやすい解説

ラケナリア
Cape cowslip
Lachenalia

ユリ科の半耐寒性の秋植え球根植物。初冬から春に開花する。シラーなどに似た多肉質の葉を1~5枚ほど地表に展開し,その中心から花茎を出して,穂状に花をつけ,下から咲き上がる。大部分の種では葉に暗色の斑点がある。ラケナリア・アロイデスL.aloides (L.f.) Asch.et Graeb.(=L.tricolor Jacq.)は2月から4月にかけて,黄橙色花を高さ約30cmの花茎につける。葉は2枚で,紫色を帯びた斑点が多数はいる。ラケナリア・ブルビフェラL.bulbifera (Cyr.) Asch.et Graeb.は,太茎広葉種で,高さ約30cm,12月末から1月にサンゴのような紅色花を開く。ラケナリア・ムタビリスL.mutabilis Lodd.も,3月に紫色花をつける。

 ラケナリア属Lachenaliaは南アフリカに60種あまりが分布し,最近になってヨーロッパで交配育種によって,いくつかの園芸品種が作出されている。植え込みは9月中~下旬に行う。用土は砂3,土1,鹿沼土3,ピート3くらいに混ぜ,排水をよくし,9月中は暗くし,10月中旬ころから日光に当て,少し乾燥気味に作る。肥料油かす元肥に施す。花後は徐々に水を減らし,地上部が枯れたら断水して越夏する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラケナリア」の意味・わかりやすい解説

ラケナリア
らけなりあ
[学] Lachenalia

ユリ科(APG分類:キジカクシ科)の半耐寒性秋植え球根草。葉は細長く肉厚。高さ20~30センチメートルの花茎に、筒形の小花を多数、穂状または総状につける。南アフリカ原産で、原種だけで90種以上ある。開花期は12~4月と幅広く、花色も紅、橙(だいだい)、黄、緑、紫、茶色と多彩である。ムタビリス種L. mutabilis Loddは紫色花を上向きに開く。アロイデス種L. aloides hort. ex Asch et Graebn. (L. tricolor Jacq. f.)は矮性(わいせい)で、花は緑、黄、橙色の3色からなる。変種にオーレア種var. aureaがあり、これは高性で、橙黄(とうこう)色の大輪花を開く。繁殖は分球、葉挿し、実生(みしょう)などにより、9月中旬~下旬、4号鉢に3~5球を目安に植え付け、フレームか室内の窓辺で栽培する。晩夏に葉が黄変したら、鉢ごと乾かし、秋まで貯蔵する。

[平城好明 2019年4月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラケナリア」の意味・わかりやすい解説

ラケナリア
Lachenalia; cape cowslips

ユリ科ラケナリア属の総称。南アフリカに 100種近くが分布する球根植物。披針形または線形の葉が根出し,条斑 (じょうはん) や斑点の入る種類もある。花茎の先に総状または穂状花序を形成。花被は基部で合着,鐘状または管状を呈し,下垂または上向きにつく。花色は赤,橙,黄,青,紫,白,緑など非常に多彩。微妙な中間色もあって美しい。切り花や鉢植えに利用される。日当りと水はけのよい砂質土壌を好む。晩春に茎葉が枯れてきたら,水やりを中止して鉢ごと日陰に置き,休眠させる。

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