20世紀日本人名事典 「ラサールエノミヤ」の解説
ラサール エノミヤ
Lassalle H.M.Enomiya
昭和・平成期のカトリック神父 イエズス会司祭;エリザベス音楽大学名誉教授;元・上智大学教授。
- 生年
- 明治31(1898)年11月11日
- 没年
- 平成2(1990)年7月7日
- 出生地
- ウェストファーレン州エックステルンブロック町(ドイツ)
- 旧姓(旧名)
- ラサール フーゴー
- 別名
- 日本名=愛宮 真備(エノミヤ マキビ)
- 主な受賞名〔年〕
- マイツ国立大学神学名誉博士,広島市名誉市民〔昭和43年〕
- 経歴
- 21歳でカトリック修道会のイエズス会に入会。英国、オランダの大学で神学、哲学を専攻し、昭和2年司祭となり、4年来日、布教の傍ら上智大学で教鞭を取る。11年から広島市に移住、被爆し翌年から世界各国で原爆の悲惨さを訴えた。23年日本国籍を取得、日本名を愛宮真備(広島市の愛宮神社と奈良時代の学者・吉備真備にちなむ)とする。同年エリザベト音楽大学の創設メンバーとなり、宗教学、倫理学の教授をつとめる。29年広島市に世界平和記念聖堂を建立した。一方、31年以来、原田祖岳、山田耕雲に師事し、参禅体験を深め、43年ごろから日本の禅をヨーロッパに紹介。禅修業の指導、講演に従事し広島市、檜原村、ドイツ国内に禅道場「神冥窟(しんめいくつ)」などを創設した。東洋的修業とキリスト教的神秘思想の比較研究を続け、国内外の諸宗教の対話の推進に努めた。平成元年1月から禅指導のため渡欧。「禅―悟りへの道」「禅と神秘思想」「人間はどこへ行く」(ドイツ語)などの著書がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報