日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラザク」の意味・わかりやすい解説
ラザク
らざく
Tun Abdul Razak bin Hussein
(1922―1976)
マレーシアの政治家。パハン州生まれ。シンガポールのラッフルズ学院卒業。1947年ロンドンに留学、アブドル・ラーマンらとともに独立運動に献身。1950年帰国し、イギリス領マラヤの官吏を経て1955年立法議員として政界入り。1957年マラヤ独立とともにラーマン内閣の副首相兼国防相。1969年の人種暴動(五・一三事件)に伴う非常事態収拾のため、国家運営評議会議長として活躍。1970年ラーマンの辞職を受けて首相に就任した。国内的にはマレー人(ブミプートラ)優先政策を確立し、対外的には非同盟政策を展開、1974年にはASEAN(アセアン)諸国の先端を切って中国との国交を正常化した。
[黒柳米司]