日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロビン」の意味・わかりやすい解説
ロビン
ろびん
robin
[学] Erithacus rubecula
鳥綱スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。ヨーロッパに広く分布し、一部の鳥はやや南方に渡り越冬する。日本特産のコマドリと同属で姿も似ているので、ヨーロッパコマドリの別名がある。全長約14センチメートル。雌雄同色で、上面はオリーブ褐色、顔と胸はオレンジ色、腹は白い。ヨーロッパ大陸では森林性であるが、イギリスでは人家近くにも多く生息し、地上または地面近くの物陰、たとえば石垣の間や郵便受けなどに巣をつくることも珍しくない。大きな黒い目が輝く愛らしい容姿と美しいさえずり、人おじしない態度はイギリス人にことのほか愛され、国鳥となっている。細い嘴(くちばし)でおもにクモや昆虫を捕食し、冬には木の実や人の与えるパンくずなども食べる。4~5月に5、6個の卵を産み、雌だけが12~15日間抱卵する。
[竹下信雄]