改訂新版 世界大百科事典 「ラプソディインブルー」の意味・わかりやすい解説
ラプソディ・イン・ブルー
Rhapsody in blue
ガーシュウィンのピアノとオーケストラのための作品。ポピュラー・ソングの作曲家として出発したガーシュウィンは,1924年,軽音楽の指揮者ホワイトマンPaul Whiteman(1890-1967)のバンドのために作曲を依頼され,ジャズのイディオム(とくにブルース)を用いて作曲し,オーケストレーションをグローフェに手伝わせて完成した。1924年2月12日のニューヨーク初演は,大成功をおさめ,ジャズと協奏曲を融合させたこの作品は,欧米の各都市で取り上げられ,作曲家の名前を一躍世界にひろめるとともに,〈シンフォニック・ジャズ〉と呼ばれる音楽の流行を引き起こした。1920年代のアメリカ文化を象徴する作品とされている。
執筆者:船山 隆
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報