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ラマルキズム(その他表記)Lamarckism

翻訳|Lamarckism

関連語 八杉

改訂新版 世界大百科事典 「ラマルキズム」の意味・わかりやすい解説

ラマルキズム
Lamarckism

ラマルク学説,ことに獲得形質の遺伝を認める立場。しかしJ.B.ラマルクにおいては,生物におのずからの発展の傾向が内在するという観念も中心的であり,その観念と関連する定向進化的意想もしばしばこれに含まれる。C.ダーウィンによる進化論の確立以後,ラマルクの母国フランスではジアールA.M.Giard,ラボーE.Rabaudなどのラマルク派の学者が出て,おもに獲得形質の遺伝を主張した。アメリカではパッカードA.S.Packardが1885年に,ラマルキズムの発展としてのネオラマルキズムneo-Lamarckismを主張したが,ネオ(新)の意味は明確ではない。アメリカの古生物学者ハイアットA.Hyatt,E.D.コープ,H.F.オズボーンはラマルク派にかぞえられる。20世紀にオーストリアのカンメラーP.Kammererはサンショウウオサンバガエルで獲得形質遺伝の実験をしたが,作為あるなどの非難を受け自殺した。ソ連のT.D.ルイセンコの遺伝学説もラマルキズムとされる。
用不用説
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラマルキズム」の意味・わかりやすい解説

ラマルキズム
Lamarckism

フランスの C.ラマルクが 19世紀初頭に唱えた進化学説で,親が獲得した諸形質は子孫に伝わりうるというものである。この説によると,動物が継続して使用する器官は代を重ねるにつれてますます発達し,反対に使用しない器官は次第に退化して痕跡的となり,やがて消失する。このようにして生物の進化が行われるという説であるが,今日では信じられていない。しかし,進化の概念最初に述べたものとして評価される。なおラマルクの考えの根底には,生物にはすべて前進的傾向が内在するという見方があり,それが外面条件に規定されて特定方向に発展するのが,特定形質の発達なのである。

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