改訂新版 世界大百科事典 「リキュウバイ」の意味・わかりやすい解説
リキュウバイ
Exochorda racemosa (Lindl.) Rehd.
花木として栽植されるバラ科の落葉小高木。ウメザキウツギともいう。高さ5mほどになり,小枝は赤褐色。葉は狭倒卵形で長さ5cmあまり,葉縁は通常全縁,裏面は粉白となる。晩春に枝に頂生して総状花序を出し,5~10花をつける。花は白色で,円形に近い5枚の花弁を有し,径3~4cmとやや大きく美しい。おしべは20本前後と多く,目だつ。中国大陸中部原産で,耐寒性があり,中国や日本だけでなく欧米でも観賞用に栽植される。よく似たヤナギザクラE.serratifolia S.Mooreは朝鮮や中国大陸東北部原産で,花弁が狭長で,葉縁は少なくとも半ば以上に,するどい鋸歯があることで区別される。また中国大陸西北部原産のE.giraldii Hesseはリキュウバイに似て,花はより立派だという。葉の鋸歯とおしべが20本から30本あることで区別される。欧米ではこの属の交配雑種も育成されている。ヤナギザクラ属Exochordaの英名はpearl-bush。水はけと日当りの良い場所を好み,播種(はしゆ)や挿木で繁殖される。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報