陽樹(読み)ようじゅ

精選版 日本国語大辞典「陽樹」の解説

よう‐じゅ ヤウ‥【陽樹】

〘名〙
雌雄異株の植物で、雄花を持っているほうの木。男木(おぎ)。⇔陰樹
生長に、直射日光受容を必要とする木本のこと。森林内部では種子が発芽しても生育できないシラカバハンノキヤナギなど。⇔陰樹
[補注]「日葡辞書」に「Inju(インジュ) yǒsu(ヤウス) アリ」とあるが、yǒsu は yǒju の誤りか。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「陽樹」の解説

陽樹
ようじゅ

陽光下で発芽し、早く成長する樹木。一般に遷移の初期に先駆植物として裸地や草原に侵入し、陽樹林を形成する。二次林の構成種もほとんどが陽樹である。カンバ類、ヤシャブシ、アカマツなどが代表的な種である。

[奥田重俊]

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世界大百科事典 第2版「陽樹」の解説

ようじゅ【陽樹 sun tree】

木本性の陽性植物陰性に乏しく,陽地に生じる植物で,最少受光量や補償点(光合成)が高く,光量が大きくなれば光合成量は増す。光の強いところでは幼植物の生長が速いので,何物にも覆われていない裸地に生育し,遷移では先駆者となる。疎林で林内に強い光が注ぎ込む時には稚樹が生育するが,林が密になって林床へ光が入って来なくなると陰樹に置き換わる。陰樹と陽樹は極端なものははっきりしているが,いろいろの中間段階のものがあって木本植物が二つのタイプに区分されるというような性質のものではない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「陽樹」の解説

陽樹
ようじゅ

日照を好み,日陰地では育ちにくい樹木。遷移の初期に生育する。林が密になると,光が入らなくなり,陰樹へ置き換わる。光が入らない陰樹林でも老木が枯れたり,強風によって木が倒れたりすると,林冠にすきま(ギャップ)が生じることがある。ギャップから日光が差し込むことで,陰樹林の中で,部分的に陽樹が育つ。陽樹には,アカマツクロマツダケカンバシラカバなどがある。(→陽生植物

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世界大百科事典内の陽樹の言及

【灌木】より

…高木のように樹冠が一定の形をとることは少なく,よく繁ってやぶをつくることがある。陽樹が多いので極相林はつくらず,灌木の林は放っておくと高木とおき代わるのがふつうである。ガンコウランのような極小の木本は低木ということがあっても灌木ということは稀である。…

※「陽樹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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