リンター(その他表記)linter

翻訳|linter

精選版 日本国語大辞典 「リンター」の意味・読み・例文・類語

リンター

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] linter ) 綿の種子からリントと呼ばれる長繊維をとったのち、なお種子に残っている短い繊維。平均三~五ミリメートル。特殊な採取機で集め、人造繊維写真フィルム綿火薬原料ベッドしん包帯などに用いる。

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改訂新版 世界大百科事典 「リンター」の意味・わかりやすい解説

リンター
linter

種子のついた綿花実綿(じつめん)と呼ばれるが,実綿を綿繰機にかけると,綿花または原綿と呼ばれる長繊維(リント)が種子から分離される。この種子には短い繊維が残っており,これがコットンリンター,略してリンターと呼ばれる。リンターのついた種子は,綿繰機と同じ構造のリンター採取機にかけられ,長さ3mm以下のリンターが採取される。リンターは長繊維の約6~10%くらいとれる。リンターは短すぎて繊維としては使えないが,その成分は綿花と同じ高純度のセルロースからできている。ベンベルグセルロイド,綿火薬などのようにリンターをいったん溶かして使用するもの,高いセルロース含量を要求されるある種のセルロースアセテートなどの貴重な原料として利用されている。
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化学辞典 第2版 「リンター」の解説

リンター
リンター
linter

ワタ(綿,Gossypium属)の種子の表皮細胞が伸びてできた種毛で,長い綿毛(lint)と短い地毛(fuzz)があり,後者のうち,長さ約5 mm 以下の短繊維をリンターという.一般に,綿実に付着するリントを綿繰機で刈りとったのち,残っている短毛を特別な綿繰機で刈りとる.これがいわゆるコットンリンターである.精製リンターは,高重合度セルロース含有量が高く,セルロース誘導体製造の原料として広く使用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のリンターの言及

【ワタ(棉∥綿)】より

…綿毛を分離した種子は地毛除去機にかけられる。種子から分離した地毛はリンターlinterと呼ばれ,第1回目に分離したものは包帯,織物,詰物,クッションなどに使われる。ワタはまたセルロース原料としても重要で,この目的には第2回目に分離した地毛があてられ,綿火薬,レーヨン,セルロイドフィルムなどの製造に用いられる。…

【ワタ(棉∥綿)】より

…綿毛を分離した種子は地毛除去機にかけられる。種子から分離した地毛はリンターlinterと呼ばれ,第1回目に分離したものは包帯,織物,詰物,クッションなどに使われる。ワタはまたセルロース原料としても重要で,この目的には第2回目に分離した地毛があてられ,綿火薬,レーヨン,セルロイドフィルムなどの製造に用いられる。…

※「リンター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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