リンパ節生検

六訂版 家庭医学大全科 「リンパ節生検」の解説

リンパ節生検
(血液・造血器の病気)

 リンパ節生検は、病的と思われるはれたリンパ節を直接採取して、顕微鏡で詳しく調べる検査法のことです。リンパ節がはれる原因が不明である場合、その確定診断のために行われます。悪性リンパ腫には別項のとおりいろいろな組織型があり、生検によって適切な治療法の選択や予後推測を行うことに役に立ちます。

 リンパ節生検を行う場合は、切除生検(手術的にとる方法)が原則です。実際には、多くの場合、局所麻酔下でリンパ節生検を行いますが、体表にはれたリンパ節が存在しない場合には全身麻酔を行って、体の深いところから組織を採取することがあります。

 採取したリンパ節は顕微鏡下での形態学的診断に用いられるほか、フローサイトメトリーFCM)法を用いた表面抗原解析、また染色体分析やFISH法による解析、必要に応じて遺伝子検索が行われます。

 なお、縦隔や腹部大動脈周囲の深部リンパ節腫脹のみ認める症例については、CTガイド下針生検が有用であることがあります。この場合、採取可能な検体量は針生検であるため必然的に少なく、悪性リンパ腫の診断は得られても組織型の決定が困難なことがあります。

 リンパ節生検による合併症は、局所の出血疼痛(とうつう)などがありますが、多くは一時的なものです。なお、悪性リンパ腫のリンパ節腫脹は、頸部好発するため頸部リンパ節が生検される場合が多いのですが、この場合には副神経損傷に注意が必要です。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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