ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リーバイン」の意味・わかりやすい解説
リーバイン
Levine, Jack
[没]2010.11.8. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の画家。1930年代のアメリカの社会的リアリズム派の一人(→リアリズム)。ロックスベリーの福祉センターやボストン美術館付属の学校で美術を学び,1929~33年ハーバード大学で学んだ。1935~40年に断続的に雇用促進局 WPAの連邦美術計画にかかわりながら,ボストンのスラムに構えたスタジオで貧しい人々や聖書を主題にした作品を描く一方,腐敗した政治家を風刺する作品を描いた。ハイム・スーチンやジョルジュ・ルオーらに影響を受けた表現主義的な作風で,強烈な色彩と戯画化された人物などによる辛辣な社会風刺路線を貫いた。"Brain Trust"(1936),警官と政治家と裕福な男が密談している様子を描いた "The Feast of Pure Reason"(1937)で注目を浴び,1939年にニューヨークで初の個展が開催された。ほかに,"The Trial"(1953~54),"Panethnikon"(1978)など。1973年バチカン市国はリーバインの作品を高く評価し,『カインとアベル』Cain and Abel(1961)を購入した(→カイン)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報