ルイヨウボタン(読み)るいようぼたん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルイヨウボタン」の意味・わかりやすい解説

ルイヨウボタン
るいようぼたん / 類葉牡丹
[学] Caulophyllum robustum Maxim.

メギ科(APG分類:メギ科)の多年草。根茎は太く、横にはう。地上茎は40~70センチメートルで粉白色を帯びる。葉は普通、茎上部に2枚互生し、2、3回3出複葉で柄はごく短い。小葉は長楕円(ちょうだえん)形で先は2、3裂し、頂小葉は有柄、側小葉は無柄。4~6月、径約1センチメートルの緑黄色花を十数個、集散状に頂生または腋生(えきせい)する。花弁は6枚、外側萼片(がくへん)は3~6枚、花期には落ちる。内側の萼片は6枚。小さく蜜腺(みつせん)がある。種子は1個の花に2個ずつでき、球形で径約8ミリメートル、青く液果状。深山の温帯林下に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国、ウスリーに分布する。名は、葉がボタンに似るという意味である。

[鈴木和雄 2019年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルイヨウボタン」の意味・わかりやすい解説

ルイヨウボタン(類葉牡丹)
ルイヨウボタン
Caulophyllum robustum; blue cohosh

メギ科の多年草。ボタンソウともいう。温帯山地の深い森林中に生える。多くの節があって横走する地下茎から1本の直立茎を出し,高さは 50cm内外で,これに長い柄のある3回3出複葉をつける。小葉は鋭尖頭の長楕円形で全縁,ときに2~3の裂片に分れる。質は軟らかく無毛で,下面に白粉をつける。初夏黄緑色の花をつけるが,目立つのは萼で,花弁は退化している。花後,子房は大きくならずに裂開し,中の種子を裸出させる。種子は2個並んで青く成熟し,種皮が肉質を帯びるので果実状にみえる。

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