日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルエーガー」の意味・わかりやすい解説
ルエーガー
るえーがー
Karl Lueger
(1844―1910)
オーストリアの政治家。ウィーンの貧しい宴会係の子に生まれ、苦学してウィーン大学で法律を学び、1870年学位を得た。1875年ウィーン市会議員となり、小市民・中産階級の代表として大資本勢力を攻撃した。1885年以後、国会に進出、1888年にはカトリック社会改革派の諸グループをまとめてキリスト教社会党を成立させ、反政府・反ユダヤ的内容の情熱的な演説によって人気を博した。ヒトラーへも大きな影響を及ぼしている。1895年ウィーン市長に選出されたが、宮廷や政府の反対にあったため、2年後に初めて市長に就任し、ガス・市街電車の敷設、公立学校・病院の建設など進歩的な市政を進めた。
[中井晶夫]